2022.03.02 第5回衛生コラム 解説!Codex 食品衛生の一般原則2020(後編)

アルちゃんが、食品衛生や感染症に関する疑問を社内の専門家に尋ねます!

第5回 衛生コラム

テーマ:解説!Codex 食品衛生の一般原則2020(後編)

株式会社アルボース
生産開発本部 商品クリエイト部 衛生システム東日本開発課
伊井 宏
FSMS審査員(JRCA登録No.F1099)

Codex食品衛生の一般原則が2020年に大きく改訂されたことから、主なポイントをまとめました。
前編は「Codexの基本と主な変更点」、後編は「主な3つの改訂ポイント」を解説いたします。
それでは、後編です。

主な3つの改訂ポイント

ポイント1 食品衛生の一般原則(GHP)とHACCPの関係の明確化

付属文書であった「HACCP適用のための指針」が本文中に追加され、第1章に食品衛生の一般原則(GHP)、第2章にHACCPについて記述されています。
これは、GHPとHACCPの関係の明確化を意図したものと考えられ、それぞれの管理手段(HACCPの場合はCCP:重要管理点)の比較も新たに付属されました。(表1)

 


ポイント2 食品安全へのマネジメントコミットメントの導入

食品安全へのマネジメントコミットメントが導入され、その中でトップマネジメントに、積極的な食品安全文化の確立と維持を求めています。食品安全文化とは、安全で喫食に適した食品を提供する上で人の行動を認識することであり、その醸成に重要となる次の要素が示されています。

・安全な食品の生産および取扱いに対して、経営者およびすべての従業員によるコミットメント
・正しい方向を設定しすべての従業員を食品安全の実践に従事させるためのリーダーシップ
・事業に携わるすべての従業員による食品衛生の重要性の認識
・食品事業のすべての従業員の間で、逸脱および期待に関するコミュニケーションを含む、オープンで明確なコミュニケーション
・食品衛生システムの効果的な機能を確保するための十分な資源の利用可能性

 

また、経営者に対して、次により、実施されている食品衛生システムの有効性確保を求めています。

・食品事業内で、役割、責任および権限が明確に伝達されることを確実にする
・変更が計画され、実施されるとき、食品衛生システムの完全性を維持する
・コントロールが行われ、機能し、さらに文書が最新であることを検証する
・従業員に対して適切なトレーニングおよび監督が行われていることを確実にする
・関連する規制要件を遵守してうることを確実にする
・適切な場合には、科学、技術およびベストプラクティクスの進展を考慮にいれて、継続的な改善を推奨する







 




ポイント3 “GHP requires greater attention”の導入

より大きな注意が必要なGHPを意味する“ GHP requires greater attention ”の概念が導入されました。例えば、調理済食品に直接接触する器具・設備やアレルゲンを含む製品を生産した後の製造ラインの洗浄はより注意が必要なGHPと捉え、洗浄消毒頻度、実施効果のモニタリング、改善措置、洗浄消毒効果の妥当性確認と検証が大事としています。






参考:(公社)日本食品衛生協会「Codex食品衛生の一般原則2020 -対訳と解説- 」

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